作成者別アーカイブ: 田中 孝典

くせ毛カット、ここでの課題は癖の硬くて多い髪を柔らかく見せる。

 キュビズムカット、伸ばしぱなしの1年後!の写真送ってくださいました。

くせ毛ですごい髪の多い方です。とにかく髪を減らすことに時間を割きます。この時全体のバランスを指先で感じて髪が伸びても崩れないように量を減らして柔らかい感じにします。

キュビズムカットはブローでなくカットで形にするから崩れることなく長持ちするのです。

いまもやりやすいと言ってもらえてます。

 

2019年12月 キュビズムカット講習会アーカイブ

テーマ:硬くて多いくせ毛を柔らかく見せるブローレスカットの

今回の講習テーマは、「硬くて多いくせ毛を、柔らかく見せるカット」。
髪の量が多く、質が硬いタイプの方は、ボリュームが出やすく頭が大きく見えがちです。
単に軽くするだけでは広がり、まとまりません。
くせを“和らげながら”形を創ることが今回の課題でした。


■ シザーズ1本で創るブローレススタイル

ブローやアイロンに頼らず、カットだけで形になるのがキュビズムカットの本質です。
硬く強いくせ毛も、シザーズ1本で立体的に削りながら柔らかく見せ、手入れのしやすいスタイルにします。
量を減らすのではなく、「どの位置で」「どの方向に」軽さを出すかが大切です。


■ リーフスト使用時の毛束の扱いとグラデーションの意識

量を調整するときは、リーフスト(スライドカット的操作)を使います。
毛束を取る角度と位置をコントロールしながら、グラデーションを意識して重なりを整えます。
軽くドライした後、癖の強い部分は根元近くからグラデーションの流れをつくるように
毛束を少なくしていくことで、
膨らみを抑え、内側の動きを自然にコントロールします。


■ レイヤーでかぶさる癖をコントロール

表面にかぶさる癖はレイヤーで逃がすように取り除きます。
レイヤーの入り方でくせの方向づけを行い、毛先に軽さを出しながら全体のフォルムをコンパクトにまとめます。
単に軽くするのではなく、「髪の重なりを整える」という意識で行うことがポイントです。


■ カット後の「指通りの快感」

硬く多い髪質の方は、カット後の**“指通りのなめらかさ”**にとても敏感です。
その感触が、次の来店を自然に約束してくれるほど印象に残ります。
モデルの中野さんも、強い癖と多い毛量に悩まれていましたが、
ブローレスで軽く、まとまりのあるスタイルに仕上がり、
「朝の手入れが驚くほど楽になった」とお話しされていました。


■ 動画編集について

講習記録は、スマホアプリ「ビバビデオ(VivaVideo)」で編集しました。
短時間で要点をまとめられるため、技術確認にも最適です。
皆さんもぜひご自身の講習や施術を撮影し、記録と共有を活用してください。
技術の振り返りや受講者同士の意見交換にも役立ちます。


■ 講師コメント(田中孝典)

キュビズムカットでは、くせ毛や多毛といった“素材の個性”を直すのではなく活かすことを考えます。
硬い髪は柔らかく、重い髪は軽やかに、そしてブローに頼らず形になる。
これは偶然ではなく、理論的に形を構築するカットだからこそ実現できます。

この日の講習では、受講者の皆さんが「髪を減らす」のではなく「形をつくる」感覚に気づき始めたことが印象的でした。
リーフストの角度やレイヤーの入れ方ひとつで、髪の表情は大きく変わります。
感覚に頼るのではなく、構造を理解して手を動かすこと。
これが、再現性の高いブローレススタイルを生む第一歩です。

講習は一度で終わりではありません。
「次はもっと自然に」「次はより滑らかに」と、
毎回テーマを持って取り組むことで技術は確実に積み重なります。
これからも一緒に、くせ毛に悩む方に喜ばれるカットを追求していきましょう。

本編のビデオでこんなところを撮ってほしいとかの要望があれば田邉までよろしくお願いいたします。

 

 

[公開期限 2026年01月8日 15:19]