AIではできない「くせ毛ブローレスカット」
〜骨格を読むカットは、プロの目と手でしかできない〜
最近話題のAIカット。一般的なスタイルや長さを整えるだけなら、ある程度はAIにもできるかもしれません。
しかし、「くせ毛」かつ「骨格に沿ったフォルム」をつくるブローレスカットは、AIでは不可能です。
なぜなら、基本となる“くせ毛に対応したカットのソフト”自体が存在しないから。骨格、髪質、毛流れを瞬時に読み取ってその場で最適なデザインを組み立てるのは、人の手と感覚にしかできない領域なのです。
進化し続けるくせ毛カット技術
いま、私は2〜3ヶ月以内のカット技法を日々開発中。
短時間で仕上がり、立体感のあるスタイルが作れる手法です。
くせ毛のお客様の髪をドライの状態で余分な所を彫刻カットすることで、より自然で扱いやすい仕上がりに。一番下に今回、その様子をビデオに収めましたので、ぜひご参考に!
くせ毛カットの10年前との違い
下記の動画は、くせ毛キュビズムカット講習に撮影したもの。
当時は「くせ毛はショートにできない」というのが常識でした。
この動画では、その常識を覆すカットが映されています。
しかし、この10年でカット技術は大きく進化しました。
考え方の“軸”は変わらなくても、デザインと技法は確実に変わってきています。
講習に参加された方は、ぜひ当時の内容を思い出してみてください。
カットの基本と現在のアプローチ
くせ毛カットで大切なのは、まず「癖をニュートラルにする」こと。
つまり、強い癖をなじませ、自然に見えるように導くことです。
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不要な部分は思い切ってカット
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髪が自然に落ち着く位置を見極め、余分な毛を取る
今回は、こうしたポイントを踏まえながらカットを進めています。
講習第2回の振り返り
前回から1ヶ月。全3回のうちの2回目となる今回も、くせ毛というより縮毛に近いモデルさんにご協力いただきました。
今回のテーマは「癖毛のブローレスカット」。
受講生の方にもカットに挑戦していただきましたが、リーフスト(毛束のカット)にもう少し思い切りがあれば、より自然な収まりになったと思います。
強い癖毛にはどう対応するか?
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撥水性が高く、太くて多い髪質
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広がるため、長く伸ばしてまとめていた方が多い
こうした髪には、まずアウトラインをしっかり決めて、大胆に切り込むことが重要です。
癖毛をショートスタイルにすることで、癖の収まりが格段に良くなります。
1回目でベースを作り、2回目では癖の強い部分にリーフストで細かい調整を。
カットの手順とコツ
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襟足からスタートし、落ち着くラインを確認
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毛束は角度を上げすぎないように取り出す
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トップ・サイドはバランスを見ながら
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リーフストはスナップを効かせて、シザーズの切り終わりを平行に
このモデルさんからは「カットするほど収まりが良くなってすごく良い!」という感想もいただいています。
10年前のくせ毛カットでした。
ここから10年後のくせ毛カット
キュビズムカットで叶える、ブローレスボブ
キュビズムカットは初めてのお客さまです。
強い癖がありましたが、ラインとフォルムでやさしい雰囲気を演出。
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ショートにしなくても、ブローレススタイルは可能
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ボブでもカットのみ、乾かすだけでOK
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絶壁でも乾かすだけで自然な丸みが出る
初めてキュビズムカットを体験される方にもおすすめのスタイルです。
カットのみで乾かすだけ
初めてのキュビズムカットお客さま
くせ毛をブローレスショートに
初めてのキュビズムカットお客さま
くせ毛をブローレスショートに
カットのみで乾かしただけのブローレススタイル。
この癖なら絶壁も乾かすだけで解消
乾かせばくせも落ち着きます
このビデオはカットして2,3ヶ月経ったスタイルのカット法です。
くせ毛のお客さまで前回カットから45日経過しています。
色のこだわりがありヘナはしてなくてキュビズムカットカラーです。
カラーの後風だけでお客さまのやり方でドライにします
乾いたら、コームを通して今回のカットすべきところを確認します
アウトゾーンを残して量を取っていきます。
最後にアウトラインを決めていきます。
量を取りながらシルエットを整えていきます。
そうすることでカットスタイルが長持ちして手入れがしやすくなります。
さいごに
くせ毛カットは、日々進化しています。
そして、いつも同じスタイルを提供していては、お客様は離れてしまいます。
だからこそ、美容師として「変化」「挑戦」「創造」を止めないことが大切だと思います。
お客さまの願望をかなえるため進化が必要です。
[公開期限 2025年10月23日 11:03]