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ブローレスカットが上手くできない原因は!

ブローレスカットの真髄に近づいて

最近になって、ようやく「ブローレスカットの真髄」に触れられてきたと実感しています。キュビズムカットにおいては、この“ブローレス”こそが核であり、最大の魅力でもあります。

そのブローレスを成立させるために欠かせないのが「骨格の理解」です。髪は骨格という立体的な土台の上に存在しており、その構造を無視してはデザインを語ることはできません。先月の講習会でも触れましたが、骨格をどう捉えるかが、ブローレスを成立させるための第一歩になります。

キュビズムカットの基本は「髪の重なりで形をつくる」という考え方です。これは骨格が立体であるからこそ可能になります。そして、その上にスタイルの“設計図”を描くことで、髪の長さを変えるだけで多彩なデザインを創り出せるようになるのです。

しかし、現実には骨格にもさまざまな個性があります。丸みが強い方、平坦な方、ハチ張りの方…。この違いがカットを難しくし、また同時に奥深いものにしています。骨格の形状を理解し、補正することが、最終的にブローレスを成立させるための要です。

骨格を修正するためには、点で捉える視点が必要です。点を繋ぎ、立体を再構築することで、骨格に沿った自然な形を導き出すことができます。その際に重要になるのが「レイヤー技術」です。長さの違いをどう設計に組み込むか、どの部分に軽さを与え、どこに重さを残すのか。それがブローレスを成立させる技術的ポイントになります。

このブローレスという考え方は、今後も確実に生き残るカット技術です。むしろ、美容業界が「いかに再現性を高めるか」というテーマに向かうなかで、欠かせないスキルになっていくでしょう。


ニュースタイルと世代のニーズ

先日の「キュビズムカット・ニューラインショート」くせ毛対応スタイルの動画でもお伝えしましたが、60代・70代の方々はブローレススタイルをとても好まれます。なぜなら、手入れが楽で、形が長持ちするからです。

しかし、それだけでは十分ではありません。「あなたの髪型、素敵ね」と周囲から褒められることが、年齢を重ねたお客様にとって大きな喜びになります。ブローレスは、その“褒められるデザイン”を提供できる技術なのです。

余分を削ぎ落としたすっきりとしたスタイルは、フォルムを美しく見せ、毎日のセットを格段に楽にします。これは60代以上のお客様だけでなく、実は若い世代にも受け入れられ始めています。「楽で手間がかからない方がいい」──この本音は、どの世代にも共通するものです。

割れや生え癖への対応

せっかくキュビズムカットを施しても、後頭部の割れや生え癖がデザインを崩すことがあります。圧をかけて抑えるとペタッとしてしまい、立体感が失われてしまいます。

ここで必要なのは、ひと手間です。割れやすい部分の地肌を、毛先ではなく根元からしっかり濡らして整え、櫛や手でとかす。これだけでも、スタイルの持ちが変わります。お出かけ前にシャンプーをしてリセットするのも効果的です。こうしたケアのポイントを、お客様に必ず伝えておくことが、仕上がりの満足度を高める秘訣になります。

これからの講習について

これからの夙川講習では、ブローレススタイルに必要なデザイン性と、落ち着かせるための安定性という、一見相反する要素を融合させたキュビズムカットをお伝えしていきます。

従来のキュビズムカットをベースに、さらに骨格を精密に捉えた量感調整を組み合わせることで、真の意味でのブローレススタイルを創り上げる。その実践を通じて、皆さんの技術を次の段階へと導きたいと考えています。

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[公開期限 2025年11月14日 16:20]